98 views偏愛書棚24 August, 2024自分の「もろさ」を直視するところから友情が生まれる 『FRIENDSHIP(フレンドシップ) 友情のためにすることは体にも心...「友達なんかいらない」。いまほど大手を振ってこう言える時代もないんじゃないかと思う。一人でも生きていけるし楽しめる。「おひとりさま」市場は拡大する一方で、選択肢には事欠かない。 そんな中、『FRIENDSHIP(フレンド...
507 views偏愛書棚16 June, 2024\祝・文庫化/稲垣えみ子『魂の退社』元・朝日新聞記者。「アフロ記者」という呼び方のほうが有名かもしれない。トレードマークのアフロヘア、電気をほとんど使わない独特のライフスタイルでも知られる稲垣えみ子氏の『魂の退社』を読んだのは、初版刊行(2016年)からず...
730 viewsColumn11 December, 2023コスパとタイパと資本主義古代ローマでは、自分の子ども以外に富を生み出す財産を持たない階層をプロレタリーと呼び、プロレタリアート(賃金労働者)の語源となった。自分の子どもさえ持たない私は、プロ・プロレタリアートとかになるのだろうか。 どうでもいい...
406 views偏愛書棚1 October, 2023『熟達論』 〜「遊」に始まり「空」に到達する〜宮本武蔵が剣術の奥義をまとめたとされる「五輪の書」。為末大さんの「死ぬまでに現代版『五輪の書』を書きたい」という願いが、編集者との出会いによって実現したそう。 自身の経験に加え、著者が出会った一流アスリート、さらにiPS...
422 views偏愛書棚31 January, 2023サントリー宣伝部という”遊び場” 『やってみなはれ みとくんなはれ』何年か前に薦められて買ったものの積読のままになっていた本を読んだ。 読んでいなかったのは、表紙のイメージのためか、てっきり対談本だと思いこんでいたからだが、そうではなく、山口瞳が書く創業者・鳥井信治郎、開高健が書く後継者...
463 views偏愛書棚24 September, 2022『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』ロシアのウクライナ侵攻から半年が過ぎた。 ロシアとはどのような国か。書店には解説書コーナーができているが、確実なのは、やはり歴史に学ぶことだと思う。 1945年8月9日、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して、当時の日本領...
478 views偏愛書棚14 September, 2022『マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー』「産業をつくる」には、どうしたらいいのだろう。この本を手にしたのは、そんな疑問を持った時だった。 マービン・バウワーは、タイトルの通り、世界的な戦略コンサルティング・ファーム、マッキンゼーをつくった男。ただし創業者ではな...
442 views偏愛書棚29 April, 2022金融と通貨政策から見た日本近代史 『朝鮮銀行』この本、面白かった。副題に「ある円通貨圏の興亡」とある通り、明治42年に設立され、昭和20年、終戦とともに日本人の手から経営の離れた朝鮮銀行の経営を通じて、日清・日露戦争、満州事変、日中戦争、太平洋戦争まで、朝鮮半島と中...
121 views偏愛書棚14 December, 2021『怠惰への賛歌』(2) 建築と新しい「コモンズ」前回、バートランド・ラッセルのエッセイ集『怠惰への賛歌』に収録されている表題作「怠惰への賛歌」を読んで、今こそ読まれるべき作品だと思ったけれども、同じ本の第3部に収録されている「建築と社会問題」もまた、現代にこそ読まれる...
115 views偏愛書棚9 December, 2021『怠惰への賛歌』(1) なぜ私たちは100年前の「8時間労働」に現代も囚われているのか『怠惰への賛歌』は、ノーベル賞作家であるバートランド・ラッセルによる15篇から成るエッセイ集。 その冒頭に収録されている表題作「怠惰への賛歌」は、1932年(第二次世界大戦前、ドイツ総選挙でナチス党が圧勝した年)に書かれ...